サウナ&車中泊の総合満足度:★★★★☆ この組み合わせはお勧めできる!
2025年6月某日、今週もよく働いた。鳴り響くビジネスチャットの通知をオフにして、俺はキャンピングカーのエンジンをかけた。
今回は諸事情あって山には登らない。その代わり、溜まりに溜まった心と体の汗を、根こそぎ洗い流してくれる”聖地”へと向かうことにした。そう、我が故郷・埼玉が誇る「湯乃泉 草加健康センター」だ。
サウナで極限まで”ととのい”、その後は静かな場所で車中泊して、翌朝は何にも縛られずに目を覚ます…。考えただけでニヤけてしまう、40代男にとって最高の週末プラン。
完璧なはずだったこの計画、最後の最後にちょっとした試練が待っていた(笑)。まあ、それもまた一人旅の醍醐味ということで。
噂は本物!サウナの聖地「湯乃泉 草加健康センター」で味わう本物の”ととのい”
料金 大人 1100円
「SKC」の愛称で、全国のサウナーから聖地と崇められる「湯乃泉 草加健康センター」。その実力は、噂を遥かに超えるものだった。

まずサウナ室の扉を開けた瞬間から、空気が違う。温度計は87℃を指しているが、これは絶対に嘘だ(笑)。いや、嘘ではないんだろうけど、数字だけでは表せない凄まじい「熱圧」が全身を包み込んでくる。湿度が絶妙に保たれているのだろう、肌がチリチリと焼けるような、それでいて心地よい熱気が、体の芯まで一気に到達する感覚。テレビはあるが、誰も喋らない。皆、自分とサウナとの対話に集中している。このストイックな空間がたまらない。
そして、滝のように流れる汗をシャワーで流し、いよいよ水風呂へ。これがまた最高なのだ。バイブラ(気泡)が効いた水温15℃の水風呂は、熱くなった体を情け容赦なく冷却してくる。手足の先から痺れるような感覚が走り、脳が「生きている!」と叫ぶようだ。脱衣所に設置された給水機でキンキンに冷えた水を喉に流し込む。この一連の流れ、完璧すぎる。
SKCが素晴らしいのは、休憩スペースの充実度にもある。露天スペースには、ととのい椅子がなんと24席、さらにベンチが2つ。サウナ好きなら分かってくれると思うが、「ととのい難民」になる心配が皆無なのだ。これは本当にありがたい。
火照った体で椅子に深く身を沈め、空を見上げる。視界の端で湯けむりが揺らめき、初夏の夜風が体を優しく撫でていく…。ああ、今週のストレスが全部どうでもよくなっていく。これだよ、これ。この瞬間のために俺は生きている。
施設自体は正直、年季が入っている。だが、隅々まで清掃が行き届いており、不快感はゼロ。むしろ、長年サウナーたちに愛されてきた歴史と風格さえ感じさせる。

名物の「サ飯(サウナ飯)」が絶品すぎて写真を撮るのを忘れてしまった・・・。
公式HP 湯乃泉 草加健康センター
サウナ後の静寂を求めて…のはずが?「出羽公園 西駐車場」でのリアル車中泊レポート
料金 無料
本文 最高の”ととのい”でフワフワになった体を引きずり、今夜の寝床へ。
当初は「道の駅 川口・あんぎょう」を考えていた。だが、金曜の夜だ。間違いなく多くの車で賑わっているだろうし、若者たちが集まっている可能性も高い…。静寂の中で余韻に浸りたい40代の男には、少しハードルが高いかもしれない。そう判断し、事前にリサーチしていた「出羽公園 西駐車場」で仮眠させていただくことに。


到着してみると、予想通り静かで広々としている。30台ほど停められるスペースはほぼフラットで、まさに車中泊向きの環境だ。トラックの姿もなく、交通量も少ない。他に車中泊らしき車は1台だけ。これは最高の選択をしたな、とガッツポーズ。
気になるトイレは、1名分だけだが設備は新しく、綺麗に清掃されていた。ただ、ドアがないオープンなスタイルなので、夏場の虫はちょっと覚悟が必要かもしれない。まあ、無料で使わせてもらえるのだから文句はない。


完璧な夜は、しかし、静かに終わりを迎えなかった。
近くに線路があるため、時折ゴトンゴトンと電車の音が聞こえる。これは想定内。夜中は走らないので睡眠には問題ないだろう。問題は、それとは別の音だった。
夜が更けるにつれて、どこからともなく車好きの若者たちが集まってきたようだ。楽しそうな話し声が、静かな公園に響き渡る。
「まあ、自分も若い頃は友達と夜中に意味もなく集まって騒いだりしたもんな…」
なんて、寛大な心でいようと努力した。努力はしたのだが、その声が深夜2時過ぎまで続いたのには、正直少し参ってしまった(苦笑)。もう少しだけ、周りへの配慮が欲しかったというのが本音だ。
とはいえ、彼らがいなくなってからは本当に静かで、サウナ後の火照った体と相まって、深い眠りに落ちることができた。若者の声が気になる人は、ノイズキャンセリング機能付きのイヤホンか、シンプルな耳栓があると、どんな状況でも快適な夜を過ごせるだろう。これもまた、リアルな車中泊(仮眠)の記録として、誰かの参考になれば幸いだ。
完璧ではなかった。でも、だからこそ記憶に残る。 サウナでととのい、想定外の出来事も含めて自由を満喫する。そんな週末も、悪くない。